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使役動詞

「人に〜させる」を表す動詞です。make・have・let・get の4つで、後ろに続く動詞の形がそれぞれ違います。

使役動詞の難しさは意味ではなく形にあります。「〜させる」という意味は共通なのに、make と have と let は動詞の原形を、get だけは to不定詞を取ります。さらに「される側」が目的語のときは過去分詞になります。強制の度合いという意味の違いと、形の違いを分けて整理するのが理解の近道です。

形は3種類に分かれる

make / have / let は原形、get は to do、受け身の意味なら過去分詞。この3パターンしかありません。

強制の度合いが違う

make は無理やり、have は当然の依頼、let は許可、get は説得です。同じ「させる」でも関係性がまったく違います。

help は例外的に両方使える

help は原形と to不定詞のどちらも取れます。米語では原形が一般的です。

make / have / let + 人 + 動詞の原形 / get + 人 + to do / make・have + 物 + 過去分詞

見分け方

どの形になるかは、使役動詞の種類と、目的語が「する側」か「される側」かで決まります。

1. 使役動詞は何か

make / have / let なら原形、get なら to do です。まずここで大きく分かれます。

2. 目的語は「する側」か「される側」か

人が自分で動くなら原形、物が誰かにされるなら過去分詞です。I had him repair it. と I had it repaired. の違いです。

3. 強制の度合いは適切か

make は強制、have は当然の依頼、let は許可です。上司が部下に頼むなら have、親が子に許すなら let が自然です。

正体判断の根拠
I made him wash the car.make + 原形強制的にやらせた。本人は嫌がっていた含みがある。
I had him wash the car.have + 原形当然の依頼。仕事として頼んだ、という中立的な響き。
I let him wash the car.let + 原形許可。本人がやりたがっていた。
I got him to wash the car.get + to do説得してやってもらった。get だけ to が入る。
I had the car washed.have + 過去分詞車は「洗われる」側なので過去分詞。誰がやったかは示さない。

用法別の例文

4つの動詞と、過去分詞を取る形を分けて示します。

make(強制的に〜させる)

本人の意思に反してやらせる場合に使います。感情の変化にも使えます。

The teacher made us rewrite the essay.

先生は私たちに作文を書き直させた。

強制。原形 rewrite。

The news made me happy.

その知らせは私を幸せにした。

make + 目的語 + 形容詞の形もあります。

He was made to apologize.

彼は謝らされた。

受け身にすると to が復活します。 make の受け身では be made to do となります。

have(当然のこととして〜してもらう)

仕事や役割として頼む場合に使います。強制のニュアンスはありません。

I had my assistant book the flight.

助手に航空券を予約してもらった。

当然の依頼。原形 book。

The manager had everyone stay late.

部長は全員を残業させた。

立場上の指示。

let(〜させてあげる・許す)

相手がやりたがっていることを許可する場合に使います。

My parents let me study abroad.

両親は私を留学させてくれた。

許可。原形 study。

Let me know if you have any questions.

ご質問があればお知らせください。

Let me know はビジネスメールの定型です。

get(説得して〜してもらう)

4つの中で get だけが to do を取ります。ここが最大の注意点です。

I got my brother to help me move.

兄に引っ越しを手伝ってもらった。

説得。to help と to が入ります。 × got my brother help

She got him to change his mind.

彼女は彼を説得して考えを変えさせた。

働きかけて動かした含み。

過去分詞を取る形(〜してもらう・される)

目的語が物で、「される側」のときは過去分詞にします。日常でよく使う重要な形です。

I had my hair cut yesterday.

昨日、髪を切ってもらった。

髪は切られる側なので過去分詞 cut。 had my hair cut を「自分で切った」と誤解しないでください。

She had her bag stolen on the train.

彼女は電車でかばんを盗まれた。

被害を表す用法。頼んだわけではありません。

I need to get this document translated.

この書類を翻訳してもらう必要がある。

get + 物 + 過去分詞。have とほぼ同じ意味です。

help(原形でも to do でも可)

使役動詞に準じる語です。両方の形が使えます。

He helped me carry the boxes.

彼は箱を運ぶのを手伝ってくれた。

原形。米語ではこちらが一般的。

He helped me to carry the boxes.

同じ意味。to を入れた形。

どちらも正しい形です。

演習問題(ステップ解説)

例題1: get だけ形が違う

I finally got him ( ) the report.

  1. 使役動詞は get です。make / have / let ではありません。
  2. get は4つの中で唯一 to不定詞を取ります。
  3. him は「書く側」なので過去分詞ではなく能動の形になります。
  4. 答えは to write です。write にすると誤りです。

make・have・let は原形、get だけ to do。ここだけは丸暗記が必要です。

例題2: 原形か過去分詞かを決める

I had my computer ( ) at the shop.

  1. 使役動詞は have なので、原形か過去分詞のどちらかです。
  2. 目的語は my computer です。コンピューターが自分で修理するのか、修理されるのかを考えます。
  3. コンピューターは修理される側なので受け身です。よって過去分詞になります。
  4. 答えは repaired です。repair にすると「コンピューターが何かを修理する」ことになり、意味が通りません。

目的語が「する側」なら原形、「される側」なら過去分詞。これが判断のすべてです。

日本人が間違えやすいポイント

get の後ろを原形にしてしまう誤りが最も多く出ます。× I got him do it. → ○ I got him to do it. make・have・let の3つに引きずられますが、get だけは to が必要です。逆に make を受け身にすると to が復活し、He was made to do it. となる点も合わせて覚えてください。

よく出るひっかけ問題

get だけ to不定詞を取る

make / have / let は原形ですが、get は to do です。4つをまとめて覚えるときに、get だけ例外だと意識してください。

make の受け身では to が復活する

They made him work. → He was made to work. 能動では原形なのに、受け身になると to が現れます。have と let は普通この受け身の形を取りません。

have + 物 + 過去分詞は「してもらう」と「される」の両方

I had my hair cut.(切ってもらった)と I had my bag stolen.(盗まれた)は同じ形です。頼んだのか被害なのかは文脈が決めます。

have my hair cut を「自分で切った」と読まない

cut が過去分詞なので「切られた」です。自分で切ったなら I cut my hair. です。日本語の「髪を切った」から誤読しやすい形です。

let は受け身にしない

He was let go. のような特殊な決まり文句を除き、let は普通受け身にしません。受け身にしたいときは be allowed to do を使います。

make + 目的語 + 形容詞の形もある

The news made me happy. のように、原形動詞ではなく形容詞が来る形もあります。これは第5文型です。

練習問題

動詞の種類と、目的語が「する側」か「される側」かを毎回確認してください。

問1 My boss made me ( ) overtime.

1. work

2. to work

3. working

4. worked

答: 1 make は原形を取ります。me は「働く側」なので能動の原形 work です。

問2 I finally got her ( ) the truth.

1. tell

2. to tell

3. telling

4. told

答: 2 get だけは to不定詞を取ります。make・have・let に引きずられて原形にしないよう注意してください。

問3 She had her wallet ( ) at the station.

1. steal

2. to steal

3. stolen

4. stealing

答: 3 財布は「盗まれる」側なので過去分詞 stolen です。これは被害を表す用法で、頼んだわけではありません。

問4 He was made ( ) the room before leaving.

1. clean

2. to clean

3. cleaning

4. cleaned

答: 2 make を受け身にすると to が復活します。能動なら made him clean ですが、受け身では was made to clean になります。

問5 次のうち文法的に正しくないものはどれですか。

1. Let me know your decision.

2. I had my car washed.

3. I got him fix the printer.

4. She helped me carry the bags.

答: 3 3番は get の後ろに原形が来ており誤りです。to fix が正しい形です。4番の help は原形でも to do でもよいため正しい形です。

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