強調構文
文の中の特定の要素を It is 〜 that ... の形ではさんで「まさに〜なのだ」と強調する形です。
強調構文は、伝えたい部分を文の前のほうに引っ張り出して目立たせる仕組みです。英語は語順で情報の重要度を示す言語なので、強調したい語を It is と that の間にはさむことで「ここが要点だ」と示します。形式主語の It is 〜 that ... と見た目が同じため、両者を見分けることが最大の課題になります。
はさんで強調する
元の文から強調したい部分を抜き出し、It is と that の間に置きます。残りはそのまま that の後ろに続けます。
主語・目的語・副詞句を強調できる
強調できるのは名詞と副詞のはたらきをする部分です。動詞そのものは強調構文にできません。
人なら who、物なら which も使える
that の代わりに、強調する語が人なら who、物なら which を使えます。時や場所なら when / where も使えます。
見分け方
形式主語の It is 〜 that ... と強調構文は形が同じです。見分ける方法は決まっています。
1. It is と that を取り除いてみる
強調構文なら、残りをつなげて元の完全な文になります。形式主語なら文が壊れます。
2. that の後ろが完全な文かを見る
強調構文では、強調のために要素が1つ抜けているので that の後ろは不完全です。形式主語では that の後ろは完全な文です。
3. 強調されている語の種類を確かめる
名詞や副詞句なら強調構文です。形容詞なら形式主語です。It is important that ... は形容詞なので形式主語です。
| 例 | 正体 | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| It was Tom that broke the window. | 強調構文 | It was と that を外すと Tom broke the window. という完全な文になる。that の後ろは主語が欠けている。 |
| It is true that he left early. | 形式主語 | 外すと true he left early となり文が壊れる。that の後ろは完全な文。 |
| It was yesterday that I met her. | 強調構文 | 外すと yesterday I met her となり成立する。副詞を強調している。 |
| It is difficult that he passed. | 形式主語(の誤用例) | difficult は形容詞なので強調構文にできない。 |
用法別の例文
何を強調するかによって、使える語が変わります。
主語を強調する
強調する語が人なら who、物なら which も使えます。
It was Tom that broke the window.
窓を割ったのはトムだった。
元の文: Tom broke the window.
It is my sister who lives in Osaka.
大阪に住んでいるのは私の姉だ。
人なので who が使えます。
目的語を強調する
目的語を前に出すので、that の後ろは目的語が欠けた形になります。
It was this book that I wanted.
私が欲しかったのはこの本だった。
元の文: I wanted this book.
It is you whom we need.
私たちが必要としているのはあなたです。
人の目的格なので whom も使えます。 会話では who や that が普通です。
副詞句・副詞節を強調する
時・場所・理由・方法などを強調できます。when / where も使えます。
It was in Kyoto that we first met.
私たちが初めて会ったのは京都だった。
元の文: We first met in Kyoto.
It was yesterday that he called me.
彼が電話してきたのは昨日だった。
元の文: He called me yesterday.
It was because of the rain that we canceled the trip.
旅行を中止したのは雨のせいだった。
理由を強調する形。
疑問文の強調
疑問詞を強調するときは、疑問詞を文頭に出します。
What is it that you want?
あなたが欲しいのは一体何ですか。
It is what that you want の what を前に出した形。
Where was it that you lost your bag?
かばんをなくしたのは一体どこですか。
場所を強く尋ねる形。
そのほかの強調表現
It is 〜 that 以外にも強調の方法があります。
I do like this song.
私はこの歌が本当に好きだ。
do / does / did で動詞を強調します。 動詞は強調構文にできないので、この形を使います。
Never have I seen such a thing.
そんなものは見たことがない。
否定の副詞を文頭に出すと倒置が起きます。
It is not until you lose it that you know its value.
失って初めてその価値が分かる。
not until を強調した頻出の形。
演習問題(ステップ解説)
例題1: 強調構文か形式主語かを見分ける
It was his advice that changed my life.
- It was と that を取り除いてみます。
- 残るのは his advice changed my life です。完全な文として成立します。
- また that の後ろ changed my life は主語が欠けており、不完全です。
- よって強調構文です。「私の人生を変えたのは彼の助言だった」という意味になります。
It is と that を外して文が成立すれば強調構文、壊れれば形式主語です。
例題2: 何を強調しているかを特定する
It was at the station that I saw him.
- It was と that を外すと at the station I saw him となり、語順を戻せば I saw him at the station です。
- 抜き出されているのは at the station という副詞句です。
- 副詞句なので that の代わりに where も使えます。
- 「私が彼を見かけたのは駅でだった」と、場所を強調した意味になります。
強調されている要素の種類が分かれば、使える関係詞も決まります。
日本人が間違えやすいポイント
形容詞を強調構文にしてしまう誤りが出ます。× It is important that he goes. を強調構文と読むと意味が取れなくなります。important は形容詞なので、これは形式主語の文です。強調構文にできるのは名詞と副詞のはたらきをする部分だけで、形容詞と動詞は強調できません。
よく出るひっかけ問題
形式主語との区別は「外して成立するか」
It is と that を外して完全な文になれば強調構文、壊れれば形式主語です。この1つの操作で必ず判別できます。
動詞は強調構文にできない
動詞を強調したいときは do / does / did を前に置きます。I do like it. のように使い、この do は「する」ではなく強調の印です。
形容詞も強調構文にできない
It is important that ... は必ず形式主語です。強調構文と読むと that の後ろが完全な文になっている点で矛盾します。
時制は元の文に合わせる
元の文が過去なら It was、現在なら It is です。強調する語の時制ではなく、元の文の時制に合わせます。
not until の形は頻出
It was not until 〜 that ... で「〜して初めて…した」を表します。訳し方が独特なので、形ごと覚えてください。
疑問詞を強調すると文頭に出る
What is it that you want? の語順です。It is what that ... とはしません。
練習問題
It is と that を外して成立するかを、毎回確かめてください。
問1 次の文は強調構文と形式主語のどちらですか。 It was John that called you.
1. 強調構文
2. 形式主語
3. どちらでもない
4. どちらとも取れる
答: 1 It was と that を外すと John called you となり成立します。また that の後ろは主語が欠けています。よって強調構文です。
問2 次の文は強調構文と形式主語のどちらですか。 It is clear that she is right.
1. 強調構文
2. 形式主語
3. どちらでもない
4. どちらとも取れる
答: 2 clear は形容詞なので強調構文にできません。また that の後ろ she is right は完全な文です。よって形式主語です。
問3 I met her in Tokyo. の in Tokyo を強調した文はどれですか。
1. It was in Tokyo that I met her.
2. It was I that met her in Tokyo.
3. In Tokyo it was that I met her.
4. It is in Tokyo which I met her.
答: 1 強調したい要素を It was と that の間にはさみます。1番が正しい形です。
問4 動詞 like を強調するにはどうしますか。 I like this song.
1. It is like that I this song.
2. I do like this song.
3. It is I that like this song.
4. Like I do this song.
答: 2 動詞は強調構文にできません。do / does / did を動詞の前に置いて強調します。
問5 次のうち文法的に正しくないものはどれですか。
1. It was yesterday that I saw him.
2. It is my brother who lives here.
3. It is difficult that I understand him.
4. It was not until 2020 that I moved here.
答: 3 3番は difficult という形容詞を強調構文にしようとしており誤りです。It is difficult for me to understand him. とするのが正しい形です。
関連する英語学習Q&A
英単語アプリ 英文法解説 英語学習Q&A 一問一答フラッシュカード 運営者情報 お問い合わせ プライバシーポリシー 利用規約