受動態
「〜される」という受け身を表す形です。動作をする側より、される側に焦点を当てたいときに使います。
受動態は「誰がやったかを言いたくない、または言う必要がない」ときに選ばれる形です。日本語では受け身を避けることが多いため、英語のほうが受動態を使う場面は広くなります。特に報告書や説明文では、行為者を示さない受動態が標準的な書き方になります。
作り方は3手順
①能動態の目的語を主語にする ②動詞を be + 過去分詞にする ③元の主語を by の後ろに置く(省略可)。この3つだけです。
by は省略されることが多い
行為者が明らかなとき、重要でないとき、不明なときは by 以下を書きません。実際の英文では省略されるほうが多数派です。
目的語がない動詞は受動態にできない
自動詞には受動態がありません。occur / happen / remain / consist などは受け身にすると誤りになります。
見分け方
受動態にできるかどうか、また by 以外の前置詞を取るかどうかは、次の順で判定します。
1. その動詞は目的語を取るか
他動詞なら受動態にできます。自動詞は目的語がないので受動態にできません。
2. 行為者を示す必要があるか
必要なら by を付け、不要なら省略します。省略が標準だと考えてください。
3. 感情や状態を表す表現か
be interested in / be satisfied with のような表現では、by ではなく決まった前置詞を使います。
| 例 | 正体 | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| The letter was written by Tom. | 受動態 | write は他動詞。行為者を示すので by。 |
| The window was broken. | 受動態(by 省略) | 誰が割ったか不明・重要でない。 |
| The accident was occurred. | 誤り | occur は自動詞。The accident occurred. が正しい。 |
| I am interested in music. | 受動態(前置詞が by 以外) | 感情を表す表現。by ではなく in を取る。 |
用法別の例文
基本形から、注意が必要な形まで順に確認してください。
基本形
能動態と受動態の対応を確認します。
This bridge was built in 1990.
この橋は1990年に建設された。
They built this bridge in 1990. 誰が建てたかは重要でないので by を省略。
English is spoken in many countries.
英語は多くの国で話されている。
People speak English in many countries.
The report will be submitted tomorrow.
報告書は明日提出される。
助動詞があるときは 助動詞 + be + 過去分詞。
第4文型の受動態
目的語が2つあるので、受動態も2通り作れます。
I was given a book by him.
私は彼から本をもらった。
He gave me a book. の me を主語にした形。
A book was given to me by him.
本が私に与えられた。
a book を主語にした形。 この場合 me の前に to が必要になります。
第5文型の受動態
補語はそのまま残ります。使役動詞では to が復活する点に注意してください。
He was elected chairman.
彼は議長に選出された。
They elected him chairman.
He was made to work overtime.
彼は残業させられた。
They made him work overtime. 能動では原形だった work に to が付きます。
by 以外の前置詞を取る表現
感情や状態を表す表現では前置詞が決まっています。表現ごと覚えてください。
I am interested in history.
私は歴史に興味がある。
× interested by
She was satisfied with the result.
彼女は結果に満足した。
× satisfied by
The mountain was covered with snow.
山は雪に覆われていた。
× covered by が普通ではない
He is known for his kindness.
彼は親切さで知られている。
known to は「〜に知られている」で意味が変わります。 for は理由、to は相手です。
受動態にできない動詞
自動詞は受動態を作れません。日本語で「〜される」と訳せる語もあるため注意が必要です。
The accident occurred at midnight.
その事故は深夜に起きた。
× was occurred happen も同じです。
The problem remains unsolved.
その問題は未解決のままだ。
× is remained
The team consists of ten members.
そのチームは10名から成る。
× is consisted of be composed of なら正しい形です。
演習問題(ステップ解説)
例題1: 受動態にできるか判定する
次の文を受動態にできますか。 An accident happened yesterday.
- 動詞は happened です。目的語があるか確認します。
- An accident が主語で、その後ろに目的語がありません。happen は自動詞です。
- 自動詞は受動態にできません。
- この文は受動態にできません。× An accident was happened. は誤りです。
受動態にできるのは他動詞だけです。目的語があるかどうかを必ず確認してください。
例題2: 前置詞を選ぶ
The desk was covered ( ) dust.
- be covered は感情や状態を表す受動態の表現です。
- この型では行為者を示す by ではなく、決まった前置詞を使います。
- cover は with を取ります。be covered with が定型です。
- 答えは with です。by にすると「ほこりが自ら覆った」という不自然な意味になります。
be interested in / be satisfied with / be covered with など、表現ごと覚えるしかありません。
日本人が間違えやすいポイント
自動詞を受動態にしてしまう誤りが最も多く出ます。× The accident was occurred. → ○ The accident occurred. 日本語で「事故が起こされた」とは言わないのに、英語では受け身にしたくなる不思議な誤りです。occur / happen / remain / consist / appear / rise は自動詞なので受動態にできません。
よく出るひっかけ問題
自動詞は受動態にできない
occur / happen / remain / consist / appear / rise / arise は目的語を取らないため、受動態にすると誤りです。
by 以外の前置詞を取る表現がある
be interested in / be satisfied with / be covered with / be filled with / be known for など、感情や状態を表す表現では前置詞が決まっています。
使役動詞の受動態では to が復活する
They made him work. → He was made to work. 能動では原形だったのに、受け身では to が現れます。
第4文型は2通りの受動態を作れる
He gave me a book. からは I was given a book. と A book was given to me. の2つが作れます。後者では to が必要になります。
get を使った受動態もある
He got fired. のように、口語では be の代わりに get が使われます。予期しない出来事や被害を表すことが多い形です。
be known to と be known for は意味が違う
be known to は「〜に知られている」で相手を示し、be known for は「〜で知られている」で理由を示します。前置詞で意味が変わります。
練習問題
目的語の有無と、前置詞の種類に注意して解いてください。
問1 The earthquake ( ) at three in the morning.
1. was occurred
2. occurred
3. was occurring by
4. has been occurred
答: 2 occur は自動詞なので受動態にできません。過去形 occurred が正しい形です。
問2 She is interested ( ) modern art.
1. by
2. in
3. with
4. for
答: 2 be interested in が定型です。感情を表す受動態では by を使いません。
問3 He was made ( ) the room.
1. clean
2. to clean
3. cleaning
4. cleaned
答: 2 make を受動態にすると to が復活します。能動なら made him clean ですが、受け身では was made to clean です。
問4 A new library ( ) next year.
1. will build
2. will be built
3. will been built
4. is building
答: 2 図書館は建てられる側なので受動態です。助動詞があるときは 助動詞 + be + 過去分詞 になります。
問5 次のうち文法的に正しくないものはどれですか。
1. The window was broken last night.
2. The team is consisted of five players.
3. The room was filled with people.
4. He is known for his novels.
答: 2 2番の consist は自動詞なので受動態にできません。The team consists of five players. が正しい形です。be composed of なら受け身の形で使えます。
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