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分詞構文

接続詞を省略して、動詞のing形や過去分詞で2つの文を1つにまとめる、ややフォーマルな表現です。

分詞構文は「接続詞+主語+動詞」を、動詞のing形または過去分詞ひとつに圧縮した形です。圧縮の過程で接続詞が消えるため、読むときは消えた接続詞を自分で補う必要があります。ここが分詞構文の唯一にして最大の難所です。

どう作られるか

Because she felt tired, she went to bed. → 接続詞 Because を消す → 主語 she を消す(主節と同じなので)→ 動詞 felt を Feeling にする → Feeling tired, she went to bed.

なぜ主語を消せるのか

分詞構文の主語は、原則として主節の主語と同じだからです。同じだから省略できます。逆に言えば、違う場合は省略できません。

読むときにすること

Because / When / If / As / Although のどれかを前に補って、意味が通るものを選びます。どれが正しいかは文脈が決めます。分詞構文自体は意味を指定しません。

動詞ing 〜, S+V / 過去分詞 〜, S+V

見分け方

「これは分詞構文か、それとも動名詞か現在分詞か」を判定する手順です。上から順に当てはめれば、迷わず見分けられます。

1. ing形(または過去分詞)がカンマで区切られているか

分詞構文は文の前・後ろ・途中に置かれ、ほぼ必ずカンマで区切られます。カンマがなければ分詞構文ではない可能性が高いです。

2. その ing形に主語が付いていないか

Feeling tired, ... のように、ing形の直前に主語がありません。主語があれば独立分詞構文か、別の構文です。

3. カンマの後ろに完全な文(S+V)があるか

分詞構文はあくまで飾りなので、本体となる文が別に必要です。後ろが完全な文なら分詞構文で確定します。

4. 接続詞を補って意味が通るか

Because / When / If などを前に置いて自然になれば分詞構文です。ここまで来ればほぼ確実です。

正体判断の根拠
Reading a book, he fell asleep.分詞構文カンマの後ろに he fell asleep という完全な文がある。「本を読んでいるうちに」と接続詞を補える。
Reading is fun.動名詞Reading が文の主語そのもの。カンマもなく、後ろに別の文もない。
The man reading a book is my father.現在分詞(形容詞的用法)reading a book が直前の The man を修飾している。カンマがなく、名詞にくっついている。
He is reading a book.現在進行形be動詞 is とセットになっている。分詞構文に be動詞は伴わない。

用法別の例文

分詞構文が表す意味は5つに分類できます。どの意味になるかは文脈で決まるため、代表例を意味ごとに覚えるのが近道です。

理由(〜なので)

最も頻度が高い用法です。補う接続詞は Because / Since / As。

Feeling tired, she decided to go to bed early.

疲れていたので、彼女は早めに寝ることにした。

Because she felt tired, ...

Not knowing what to say, he remained silent.

何と言えばよいか分からなかったので、彼は黙っていた。

Because he did not know what to say, ... 否定は not を分詞の前に置きます。

Written in simple English, this book is easy to read.

平易な英語で書かれているので、この本は読みやすい。

Because it is written in simple English, ... 受け身の意味なので過去分詞で始まります。

時(〜するとき・〜しながら)

補う接続詞は When / While / As。

Walking along the beach, I found a beautiful shell.

浜辺を歩いていたとき、美しい貝殻を見つけた。

When I was walking along the beach, ...

Arriving at the station, she called a taxi.

駅に着くと、彼女はタクシーを呼んだ。

When she arrived at the station, ...

Having finished his homework, he went out.

宿題を終えてから、彼は出かけた。

After he had finished his homework, ... 主節より前に起きたことは Having+過去分詞 で表します。

条件(〜すれば)

補う接続詞は If。

Turning left at the corner, you will find the post office.

角を左に曲がれば、郵便局が見つかります。

If you turn left at the corner, ...

Used properly, this tool will last for years.

正しく使えば、この道具は何年も持ちます。

If it is used properly, ...

譲歩(〜だけれども)

補う接続詞は Although / Though。数は多くありませんが読解で出ます。

Admitting what you say, I still cannot agree.

あなたの言うことは認めるが、それでも賛成できない。

Although I admit what you say, ...

Living next door, I hardly ever see him.

隣に住んでいるのに、彼にはめったに会わない。

Although I live next door, ...

付帯状況(〜しながら・そして〜)

2つの動作が同時に起きている、または続けて起きていることを表します。分詞構文が文の後ろに来ることが多い用法です。

He sat on the sofa, reading a magazine.

彼は雑誌を読みながらソファに座っていた。

..., and he was reading a magazine.

The train left at six, arriving in Osaka at nine.

列車は6時に出発し、9時に大阪に着いた。

..., and it arrived in Osaka at nine.

She stood there with her arms folded.

彼女は腕を組んでそこに立っていた。

with + 名詞 + 分詞 の形。付帯状況を表す決まった型です。 with を使うと、主節と違う主語でも付帯状況を表せます。

演習問題(ステップ解説)

例題1: 意味を補って読む

Feeling tired, she decided to go to bed early.

  1. Feeling tired がカンマで区切られ、主語が付いていません。後ろの she decided to go to bed early は完全な文です。よって分詞構文と判定できます。
  2. 分詞構文の主語は主節と同じ she です。つまり「疲れを感じていた」のは彼女です。
  3. 前に接続詞を補います。Because を入れると Because she felt tired となり、意味が通ります。When でも成立しますが、この文脈では理由と取るのが自然です。
  4. 「疲れていたので、彼女は早めに寝ることにした」と訳せます。

分詞構文は接続詞を補って考えると、隠れている論理関係(理由・時など)が見えてきます。

例題2: ing形にするか過去分詞にするか

( ) in simple English, this book is easy to read.

  1. 空所の主語は、主節の主語 this book です。
  2. 「この本が書く」のか「この本が書かれる」のかを考えます。本は書かれる側なので受け身です。
  3. 受け身の分詞構文は Being written となりますが、Being は普通省略されるので Written だけが残ります。
  4. 答えは Written です。Writing にすると「この本が何かを書いている」ことになり、意味が通りません。

主語が「する側」なら ing形、「される側」なら過去分詞。Being は省略されるのが普通です。

例題3: 主語が違うとき(独立分詞構文)

It being rainy, we canceled the picnic.

  1. 分詞構文の意味上の主語は、天気を表す It です。
  2. 一方、主節の主語は we です。両者が食い違っています。
  3. 主語が違う場合は省略できないので、分詞の前に主語を残します。これを独立分詞構文と呼びます。
  4. 「雨だったので、私たちはピクニックを中止した」という意味です。

主語が主節と違うときは省略せず、分詞の前に置いたままにします。省略すると懸垂分詞という誤りになります。

日本人が間違えやすいポイント

分詞構文の(省略された)主語と主節の主語が一致していないと不自然な文になります。これを懸垂分詞と呼び、英作文で最も多く指摘される誤りです。× Walking along the street, a dog bit me.(これでは犬が歩いていたことになります)→ ○ While I was walking along the street, a dog bit me.

よく出るひっかけ問題

受け身の意味なら過去分詞から始める

元の主語が「〜される」側なら、ing形ではなく過去分詞で文を始めます。Being written → Written のように Being は省略されるのが普通です。

Having + 過去分詞は主節より前の時制を表す

Having finished his homework, he went out. のように、完了形の分詞構文は主節より前に起きたことを示します。単なる Finishing にすると同時に起きたことになります。

否定は not を分詞の前に置く

Not knowing what to say, he remained silent. の語順です。Knowing not とはしません。Having not ではなく Not having の順になる点も同じです。

主語が違えば省略できない(独立分詞構文)

It being rainy, we stayed home. のように、意味上の主語が主節と違うときは分詞の前に主語を残します。省略すると懸垂分詞という誤りになります。

慣用的な分詞構文は主語の一致を気にしない

Generally speaking / Frankly speaking / Judging from / Considering / Speaking of / Provided that などは決まった言い回しとして扱われ、主語が一致していなくても正しい英語です。

分詞構文は文の後ろにも置ける

He sat on the sofa, reading a magazine. のように後置されることも多く、この位置では付帯状況(〜しながら)の意味になるのが普通です。

慣用表現

主語の一致を問わない、決まった形の分詞構文です。読解でも英作文でもそのまま使えます。

generally speaking一般的に言えば
frankly speaking率直に言えば
strictly speaking厳密に言えば
speaking of ~〜と言えば
judging from ~〜から判断すると
considering ~〜を考慮すると
compared with ~〜と比べると
weather permitting天気が許せば
all things consideredすべてを考え合わせると

練習問題

ここまでの内容が身についたか確認しましょう。答えを選んでから解説を読んでください。

問1 ( ) tired, he went to bed early.

1. Feel

2. Feeling

3. Felt

4. To feel

答: 2 主語 he は「疲れを感じる」側なので ing形の Feeling を使います。Felt にすると受け身の意味になり、「彼が感じられた」となって不自然です。

問2 ( ) in 1885, this school has a long history.

1. Founding

2. Found

3. Founded

4. Having founded

答: 3 主語 this school は「設立される」側なので過去分詞 Founded です。Being founded の Being が省略された形です。なお found は「設立する」の原形で、find の過去形とは別語です。

問3 ( ) what to do, she asked her teacher for advice.

1. Not knowing

2. Knowing not

3. Don't knowing

4. Not known

答: 1 分詞構文の否定は not を分詞の前に置きます。Knowing not や Don't knowing という語順にはなりません。

問4 ( ) his work, he left the office.

1. Finishing

2. Having finished

3. Being finished

4. Finished

答: 2 仕事を終えたのは退社より前の出来事なので、主節より前の時制を表す Having + 過去分詞 を使います。Finishing だと同時に起きたことになります。

問5 次のうち文法的に正しくないものはどれですか。

1. Surrounded by tall trees, the house looked peaceful.

2. Being sick, the meeting was postponed.

3. The weather being fine, we went hiking.

4. Having lived in Paris, she speaks French well.

答: 2 答えは2です。Being sick の意味上の主語が主節の主語 the meeting になってしまい、会議が病気だったことになる懸垂分詞の誤りです。He being sick, the meeting was postponed. のように主語を残すか、Because he was sick と接続詞で書く必要があります。1は家が木々に囲まれているので過去分詞の分詞構文として正しい形です。3は分詞の主語 The weather が主節の主語 we と異なるため、主語を残した独立分詞構文で正しい形です。4は主節より前の経験を Having + 過去分詞 で表しており正しい形です。

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